自作の円カッターと鑿を使ってロゼッタ(口輪)を埋め込みます。写真はオリジナルデザインで、内側のタイルとそれを囲む輪を2回に分けて作業しています。
表板の削りです。材の特徴を見て、腰の強さを確認しながら、響きを聴きながら、0.1mm単位で厚みを決めます。
ブレイス(力木)を木目に沿って使う為に鉈で割っています。
スプルースのブレイス材も、産地別に4種類くらいを使い分けています。
棒のたわみを利用して接着します。
ちなみに、以前ピアノを作っていた時も、サイズは違いますが同じ方法で接着していました。




裏板の削りです。鉋が好きでこの仕事をしている様な所もあるので、鉋掛けの難しいとされるローズウッドでも楽しい工程です。

杢の強いコアも逆目を止めながら削ります。
左上は垂直に刃を仕込んだ、台直し鉋です。





胴曲げです。専用のアイロンで熱をかけて曲げます。1週間おきくらいに様子を見ながら、決められたカーブに収まって動かなくなるまで、繰り返します。

写真はカッタウェイです。

胴板と表板、裏板を接着するライニングも、当方で作っています。
四角い状態で胴板に接着したのち、大きく面を取って丸くします。



横裏の内側だけをセラック塗装します。この工程の為だけに、裏板から接着します。軽量化のためジョイントブロックは小さくなりました。





 
その後、表板の接着です。










バインディング(鉢巻き)とパーフリングの接着です。
1、装飾の為に0.5mm厚の白(メイプル)黒(ローズウッド)の薄板を、バインディング材(ローズウッド)に接着します。
2、目地払いをして仕上げます。
3、ボディの角を欠き取り、それに合わせて曲げます。
4、くさびで接着します。
画像はウクレレです。ギター材で足りますので一本繋がっています。

バインディングとパーフリングの関係です。
全て染色していない木材を使っています。

ネックジョイントです。
左、ルーターでアリほぞを掘った所です。この後、ボディのカーブに合わせたり、仕込み角度を調整します。
右、クランプで締めて接着します。2方向にテーパーがありますので、1つのクランプで吸い付くように固定されます。
弦長345mmと390mmのウクレレの場合だけ、強度を余り必要としませんので、「やといざね」でジョイントします。
このジョイントの接着だけ「にかわ」を使っています。その他はタイトボンドで接着しています。







昇降盤(テーブルソー)で、フレット溝を切ります。アクリルのテンプレートは36fまでありますので、ウクレレの場合は、ハイポジションを使っています。
テンプレートは一通りありますので、大抵の弦長には対応できます。
写真の材は縞黒檀です。
左、スティール弦モデルは、トラスロッドを埋め込み、メイプルの薄板でフタをしています。

右、指板の接着です。



指板調整後、フレットを打ちます。
左、将来フレットの足が出ない様に指板幅よりわずかに短く切ってから打ちます。
右、固形セラックで埋めます。
※ポジションマークのないクラシックギターではフレットの足は目印になりますので、そのままです。

ネック削りです。
頂点の厚みはノギスで測れますが、頂点と指板を結ぶカーブは、手の感触で決めています。



ブリッジ各種です。
左4つ、昇降盤、ボール盤、ルーターでここまで加工します。
右6つ、鑿やヤスリで仕上げます。
2011年より、クラシック用ブリッジも塗装しています。(右端)

別室で塗装します。約ひと月ほど乾かします。
ニトロセルロースラッカーの直吹き(サンディングシーラー無し)です。見た目より音重視でこの方法を採っています。

耐水ペーパーで水研ぎした後、コンパウンドで磨きます。
ブリッジの接着です。




ネックは基本的に作り置きしています。
特注でヘッドプレートの指定がある場合、一番最初に取りかかるのがネックの製作です。






セドロネックの重ね継ぎ(スカーフジョイント)です。
強度を稼ぐため黒檀を挟み込んでいます。








工具類です。
主に使う小刀、鑿、小鉋です。








材料です。